自分の身を守ること。これは自閉症児にハードル高いです。
警察に捕まっても自分の潔白を説明するのは至難の業。「お前がやったんだろ」「…は、はい…」こうなることは明白です。
もしもいじめっ子に囲まれて、さらに大人になった時にトラブルに巻き込まれて、おとなしくやられるのだけ状況は、絶対に耐えられない!その場面を想像しただけでムリ!
せめて自分の命が危ないと思ったときに、防御してほしい。その一念。
発達障害でもOKのボクシングジム:会長はよき理解者
小学校4年の頃、護身のための格闘技を習わせようと思いました。空手、柔道、ボクシング・・・さてどれにしよう。
最初は私が幼少時にあこがれていた「空手」教室に体験授業参加。なかなか良かったのですが、たまたま遊びに来ていた私の父(息子の祖父)が、空手だけは許しませんでした。おとなしい父が、なぜ空手に頑なに反対したのか今でも謎です。
結局、ボクシングならOKということで決めました。
入会したジムは、世界チャンピオンを育成するような汗臭い感じのジムではなく、子供専用プログラムがあり、明るく清潔、アットホームなジムです。
発達障害児親の会で参加のお母さんから紹介されました。9歳頃のキッズプログラムから通い始め、もう10数年になります。
最初会長とお会いした時の感想はただひとつ。「人格者だなぁ~」。
この印象は間違っていませんでした。もちろん見た目も超カッコいいですけど。
会長には入会当初「護身術として身に着けたい」旨、伝えました。
そのほかにもいろいろ相談したり、お願いしたりしましたが、穏やかに話を聞いていただきました。
小学校の頃の親にとって「悩みとお願いを話せる人」って、大切な存在だと思います。
息子は嫌がる様子もなくせっせと通いました。「これは続きそうだな」と思ったので、どうせやるなら、頭一つ抜き出た技術の習得をしてほしい、と私は願っていました。
しかし、いかんせん本人に「強くなりたい!」というハングリーな気持ちがおきないようなのです。
まぁ、いっか。
今は、私の願う護身術が身についていることを願うのみです。
肥満児からの脱出 ランニングとボクシングでこだわりの体重管理!?
入会時(9歳頃)にはすでに肥満児でした。
私にはこれ以上太らせたくない気持ちと、たくさん食べて欲しい気持ちがあり、「運動で少しでも痩せたらいいなぁ」という期待もありました。
ボクシング自体は目に見えるような減量にはなりませんでしたが、体重増加抑制の効果はあったと思います。
その後、高校1年の夏まで肥満状態は続いていました。
しかしその夏ひとりで参加した、とある長期キャンプでいきなり-6㎏で痩せると、それをきっかけにみるみる体重が減り始めたのです。
100㎏近くあった体重が、高校卒業時にはなんと68㎏ほどになっていました。制服や体操着ををもう1回買い直す必要があるほどのサイズダウンでした。
ここまで減らせた原因は、第一にまわりの人から「痩せたね」と言われることがうれしくて、①自分から努力し始めたこと。(間食をやめたなど)
時期を同じくして部活で陸上部に入り、②ランニングの習慣がついたこと。
この2つが大きいと思います。
痩せたのはとてもいいことなのですが、今度は「太る恐怖」が彼を縛り始めたのです。
朝から晩まで「体重が〇㎏増えた、減った」が最大の関心事になって、1日中その話ばかりになりました。
体重増加は今でも彼の行動を左右する、最重要事項で、ちょっと困ったこだわりでもあるのです。
それゆえ、就職した現在も、仕事が休みの日は毎朝10㎞~20㎞以上ランニングしています。
※今では、東京マラソンなどのフルマラソンも完走はもちろん、タイム向上を目指すまでになりました。(このマラソンについては別記事書こうと思います)
そして夜はほぼ毎日ボクシングジムです。
そんな彼ですが、一番の救いは「食べることが大好き」なことです。「太るから食べない!」とならなくて安堵しています。
食べたいし太りたくない、だからマラソンやボクシングをする。これはいいことですよね!?
今では体重増加を強迫観念のように警戒している息子にとって、ジムでの決まったトレーニングはルーティーンとなり、気持ちの安定に一役買っているようです。
ボクシングジムへの感謝と防戦への願い